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れぽーと

2016年8月16日

キュレーターレポート no.5-1

調査レポートです!

今回は東京都三鷹市にある社会福祉法人にじの会が運営する「にじアート」に訪問しました。

 

お目当ては愛知芸術文化センターで展示を検討させていただいている金崎将司さんの作品「百万年」(2012年)。

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?(・・)?

これは一体何でしょうか????

 

石?土?木?

 

実はこの作品、紙でできているのです。

これは金崎将司が紙を一枚一枚丹念に貼り重ねて制作した立体作品なのです。

本作品はまず、施設の余暇活動の中で彼がコラージュの制作に取り組んでいる際に、局所的に紙を貼り重ねたことで部分が盛り上がっていったのをきっかけに平面から立体への変化がはじまったそうです。施設の指導員ははじめ、あくまでも平面作品として進めるように促すも、金崎さんが積み上げてゆくことにこだわっているとわかると、その様子を見守ることとしました。盛り上がった部分に紙を重ね続けて半年、聳え立つ立体作品となったのです。

 

そして、積み上がった物質の根元を(施設の担当職員と一緒に)切り落とし、次いで塊の表面をサンドペーパーで磨くことでマーブル模様のような紙の層が綺麗に浮き上っています。作品はずっしりと重く、そして触ると硬く表面がつるつるしていますが、これはペーパーで研磨するときの熱でボンドが一度溶けて表面のコーティングとなるからです。

(続く)

 

(I.T)